家族の中に適任の候補者がいない!成年後見の申立てはできる?

認知症などで父親の判断能力が衰えて成年後見人をつけたいと思ったものの、あなたを含めた家族が本人と離れて住んでいたり、仕事が多忙であったり、家族も高齢で健康状態に不安があったりと、家族の中で成年後見人を引き受けられる人がいない状況の場合、成年後見制度は利用できるのでしょうか?

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このような家族に成年後見人になれる人がいない状況で成年後見制度を利用したいと考えた場合、そもそも成年後見開始の申立ては出来るのか、また申立てが可能な場合はどのように申立てを行い、誰が選ばれるのかを見ていきたいと思います。

後見人候補者がいない場合も申立て可能

成年後見制度を利用するために家庭裁判所へ提出する書類には、誰を成年後見人にしたいか(=後見人候補者)を、申立人によって記入する欄があります。

あなたが申立人でかつ、本人の成年後見人に選ばれたい場合には、この後見人候補者欄に申立人と成年後見人候補者が同一人物である旨を記載すればOKです。

しかし、もし後見人候補者がいない場合はどうしたらよいのでしょうか?実は後見人候補者がいなくても申立てをすることができます。

具体的には、後見人候補者がいない場合には、「後見人の選任を家庭裁判所へ一任する」という方法を選択することができます。

この場合、開始申立書の後見人候補者欄には具体的な氏名を書かず、「家庭裁判所へ一任する」という一文を記入することとなります。

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誰が成年後見人になるかは家庭裁判所が総合的に判断

後見人の選任を一任された家庭裁判所は、本人の資産状況や申立てのきっかけ等を総合的に判断し、適任と思われる第三者を決定します。

ここで言う第三者とは、弁護士や司法書士などの法律の専門家や社会福祉士などの福祉の専門家などですが、本人の財産が少額の場合には市民後見人という一般の人が選ばれることもあります。

なお原則として後見開始申立ては、家庭裁判所が決めた後見人に不服がある場合でも、違う人に代えてもらうことや申立て自体を取り下げることはできないため、注意が必要です。

ただし、後見人が職務を行わない場合や、横領をしている場合は後見人の解任を求め、交代を請求することができます。

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申立時に予め第三者や専門家を後見人候補者とすることも1つの選択肢

以上のように、家族の中で適任の後見人候補者がいない場合でも、後見開始の申立ては可能ということはわかりました。

でも、家庭裁判所に後見人の選任を一任した場合、成年後見人に選ばれる人がどんな人かが全くわからないため、本人や家族との相性が心配ですよね。

そんな場合には後見人候補者を、信頼している弁護士や司法書士、NPO法人等に依頼するという選択肢もあります。

例えば、地元の司法書士や、認知症サークル等のNPO法人で法人後見を受けてくれるところなどに事前に相談をし、申立時の報酬、後見事務の面談回数や方法などの説明を受け、本人の財産管理を任せられると思えた場合はその人(もしくは法人)を後見人候補者にして後見開始申立てを行うことができます。

家庭裁判所が決めた見ず知らずの人が成年後見人になるよりも、家族として納得できる人に成年後見人になってもらった方が安心な部分が大きいのではないでしょうか。

ただし、この場合でも誰を成年後見人にするかを最終決定をするのは家庭裁判所であるため、必ずしもその第三者が成年後見人になれるとは限りません。

なお「かんたん後見」では、後見人候補者を家庭裁判所へ一任する場合も、自分で選んだ第三者を成年後見人候補者とする場合のどちらでも、書類を作成することが可能です。

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また、後見人候補者(専門家)の紹介も行っております。気軽にお問い合わせください。

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【関連リンク】成年後見制度とは?利用方法やお金の話、デメリットなどを専門家が解説

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